大家族はやばいのか?実は避妊指導が必要なときもある

大家族というと、
「あら!子だくさんでいいわね~」
「にぎやかで楽しそうだ!」
とポジティブに捉えられがちです。
望んで大家族になっている人がいる一方、望まずに大家族になっているパターンも。
病院でも勤務しているコブチは「望まずに大家族になっている」パターンの方とよく関わるため、本日は「望まずに大家族になっているとはどういうことなのか?」という点を踏まえながら、お話をしていきたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください。

大家族はやばいわけではないが、闇を抱えている場合も
大家族=やばいというわけではありません。
ただ、
- 体の負担
- 心の負担
- 金銭面の負担
さまざまな理由で、避妊指導をしていく必要があります。
実は話を聞いていると、いろいろと闇を抱えている場合もあるのです。
1つずつ解説していきますね。
1.実は避妊方法を間違っているパターン
実は夫婦ともに避妊方法を間違って認識しているパターンがあります。
以前関わった多産婦さん(7人目のお子さんをご出産の方)で、コンドームの装着タイミングを間違えている夫婦がいらっしゃいました。
その夫婦はコンドームを「射精直前につけている」とのことだったのですが、そもそも、射精直前のコンドーム装着は、避妊ではないのです。
というのも、カウパー腺液(いわゆるガマン汁)でも妊娠する可能性は大いにありえるんですよね。
本来は、勃起後挿入前にコンドームを装着するのが正しい方法です。
改めて、避妊方法はあっているのかパートナーと確認することが必要と再認識しました。
2.暴力的な性行為をしているパターン

「暴力的な性行為」と聞くと、殴る蹴るというのを想像してしまうかもしれないですが、必ずしもそうとは限りません。
「避妊をしない性行為」は立派な暴力なのです。
というのも「避妊をしてほしい」とお願いしても、
『いや、ゴムのアレルギーなんだ……』
『ゴムをすると感度が下がる……』
『オレは妊娠させないから大丈夫』
など、何かにつけて避妊をしたがらない男性が世の中には存在します。
それはカップルでも夫婦間でも、です。
夫婦だったら何でも言い合えるのではないか?と思う人もいるかもしれません。
しかし、日々女性に関わっているわたしからすると、必ずしもそうではなく、自分がそのように言ったら怒られるかもしれない、嫌われるかもしれない……と思っている方もいるのです。
これは、関係性がそもそも対等ではなく、支配的な関係になってしまっているというのがわかります。
避妊をしてくれない性行為=性暴力。
この認識をできていない人が世の中にはとても多く、本当は、あなたの体はあなたのものなんだから、あなたが決めていいんだよ、と声を大にして伝えたいです。
3.お金がなくてコンドームを買えない
最近の物価高と、大家族であるがゆえ経済的困窮があり、お金がなくてコンドームが買えないという人がいます。
最近『生理の貧困』という言葉を聞きますね。
これは、経済的な理由などから生理用品を手に入れるのが困難なことをさすのですが、わたしは「お金がなくてコンドームを買えない」というのを聞いて、生理の貧困と同じじゃないか……!と困惑した記憶があります。
最近では生理の貧困対策を国や自治体が行っていますが、コンドームにも必要なのではないか?
国からすれば少子化を食い止めたいのかもしれませんが、大前提として「ほしいときにほしいと思う人数を自分で決める」というリプロダクティブヘルス&ライツという考え方があります。
コンドームは避妊具、そして性感染症予防のツールでもありますから、必要な人に届けることが必要なのではないかと思っています。
正しい避妊方法を知って、ほしいと思う人数、タイミングを
リプロダクティブヘルス&ライツの観点から、正しい避妊方法を知ることはとても大切です。
大前提として、大家族を否定しているわけではありません。
世の中には望んで大家族になっているカップルもいれば、そうでないカップルも一定数存在します。
そして大家族であるがゆえ苦しんでいる人もいます。
これは、わたしが10年以上臨床にいて、実際に目の当たりにして感じていることです。
理想は「ほしい子どもの人数を、ほしいと思うタイミングで迎え入れられること」
そして、ほしい子どもの人数、タイミングをカップルで話し合えること。
これが一番大切です。
「あ、うやむやになっていたなー」と思い当たる節があった方は、ぜひパートナーと話し合ってみてはいかがでしょうか?