世の中のコンドーム信者たちへ【産んで育てられないならゴムつけろ】
思春期こじらせ助産師の田村です^^
なんだか一気に朝晩は寒くなりましたね。我が家は本格的に羽毛布団を参入させたのですが、なぜだか少し明け方に汗ばんでおります。調整が難しいですね。
さて、今日は避妊のことについて!特にコンドームについて、ピックアップしてしゃべろうかと思います。
コンドーム大国ニッポン。
2019年国連で、『日本人が使っている避妊法』についての調査があったんだけど、その中の報告で
一番多いのがコンドーム(74.8%)
次いで、残念ながら避妊法ではない、腟外射精が2位にランクインしているんだけど、世界を見ても日本ってコンドームの使用率がめちゃめちゃ高いんです。世界的に見たら、日本レアです。笑
今、いろんなところでゲットできるよね~。
ドラッグストアやコンビニはもちろんのこと、数年前から無印良品でも見るようになったし、最近は見ないけどダイソーでも前売っていたのを見たことがあります。お値段も100円だった。(スゴスギ!だけど、クオリティはどうだったのかな?)
そんなこんなで、日本はコンドーム大国なのです。
妊娠をするのは女なのに、避妊は男任せの世の中。
そもそも厳密に言うと、コンドームは避妊具であり、性感染症を予防する管理医療機器の1つです。
いろんなところで安価で気軽に手に入れることができるから、コンドームを使用する人たちが多いのはわかるんだけど、いつも思っていました。
「なぜ妊娠をするのは女なのに、避妊は男任せなんだろう…」
じゃあ、逆に日本で女性が主体的に取り組める避妊ってあるのかというと
低用量ピル
ですね。
15~49歳の生殖可能年齢女性の避妊法について、低用量ピルの使用率について世界が8%だとしたら日本は2.9%。ちなみにコンドームについては世界は10%のところ、日本は34.9%。(United Nations:Contracetive Use by Method 2019より)
なかなか低用量ピルが普及できていない世の中の現状が👆からもわかりますね。
わたし自身、10代の中絶はわりとたくさん事例を見てきました。妊娠初期での子もいれば、妊娠中期いわゆる中絶できるマックスの週数である22週に近い中絶の子も見ました。赤ちゃんが大きくなると(だいたい12週以降)、中絶でも赤ちゃんを下から産まないといけません。そのために、お薬を腟内に入れて陣痛を起こさせて子宮を収縮させ、赤ちゃんを分娩する。
少し酷なことを話しますが、実際に赤ちゃんの肺がしっかりとできあがるのはだいたい35週前後。22週より前だと自力で呼吸をすることはできませんし、現代の医療では救命はできません。
だけど、赤ちゃんはしっかりと生まれてきます。たまに少し産声を聞かせてくれることもあるんですよ。
少し話が逸れてしまいましたが、そのような人たちに産後避妊指導をするのですが、やはり男性主体の避妊法であるコンドームを選択している人がほぼ100%。
「生じゃないと気持ちよくないから」とか
「今日は危険日じゃないし!安全日だから大丈夫だよ!」とか
これ自体、性教育をしっかりと受けられていない弊害だと思いますし、受け手側である女性も性教育をしっかり受けられていないから、「あぁ、そうなのかな」と思ってしまうし、「いや違う」と思っていても、嫌われるのが怖いからと自分の正直な気持ちを言えなかったり。
そんなこんなで傷ついている女性をたくさん見てきました。
わたし自身、中絶は否定しません。中絶に至ってしまったプロセスに、わたしは注目したい。
それに中絶自体はその人の人生に必要なものであったと考えて、その人が前に進んでいくために、そして同じ過ちを犯さないために、そして好きな人と好きなタイミングで子どもを迎え入れることができるようにサポートできるのが助産師の努めなのかなと思っています。
本当であれば、女性が自分の身を自分で守ってほしいと切に思っています。
「セクシュアルリプロダクティブヘルス&ライツ(SRHR)」
という言葉を聞いたことがありますか?
「生殖に関する健康と権利」という意味です。
妊娠する人もしない人も、産む人も産まない人も健康でいること。そして自分のいろんな性について自分で決めること。産むか、産まないか。いつ?何人?と決められること。それはすべての人がもっている権利なんだよ~っていうのがセクシュアルリプロダクティブヘルス&ライツです。
だから本当であれば、女性が主体的に避妊についてのリーダーシップをとってもいいと思っていて、できれば低用量ピルを飲んで自分の身を自分で守れた方が本当はいいんじゃないかなと思うのですが…。
でもアクセスしにくいよね。
産婦人科に行って、診察代を払って、薬代も数千円かかって…。わたしはピル内服をしていますが、毎月出費が痛いな~って思うから、これを学生さんが…っていうのはちょっと厳しいのかなって思う。
だから必然とコンドームに頼っちゃっているんだよね。
中絶をしに来た女性の中で、避妊しなかった!群もいれば、避妊していたんだけど破れちゃった、外れちゃったなどアクシデントが起きてしまった群もいて。
言えることはコンドームは絶対じゃないってこと。
大人でも間違っている人がいる、コンドームのつけ方
先ほどもお伝えした通り、コンドームは避妊具でもありますが性感染症を予防するアイテムでもあります。
中には「コンドームをちゃんとつけていたし、破れてもいないし、外れてもいないのに妊娠しました!」っていう人もいます。10代だけではありません。以前わたしが関わった多産婦さん(7人くらい産んでいた人)で避妊指導をしたときにも同じことを言われました。改めて、コンドームをつけるタイミングについて聞いてみたところ、「射精する直前」だと話されていました。
そりゃ、妊娠するわよっていう話で。
射精の直前にコンドームをつけていては意味がありません。いわゆるガマン汁という精子の混じった分泌液が出ているものですから、それでも妊娠する可能性は充分あります。
また、ペニスが勃起後すぐにコンドームをつけないと、性感染症の予防にもなりません。
つけるときは先端のちょっと膨らんでいる部分の空気を抜くこと
そして、事後は精子漏れの防止のためにすぐに腟から抜いて、しばってゴミ箱に捨てること。
あと、これからの時期、ハンドクリームを塗った手でコンドームをいじるとゴムが変性してとっても破れやすくなるので注意してください!
コンドームの避妊率は?
コンドームの実際の避妊率は85%。
これは、避妊をしないでセックスをするのと比べて、コンドームを使うことで85%くらいは妊娠を防げるよっていう効果が認められたという意味。残りの15%は妊娠する可能性があるっていうこと。
だからこそ、女の子にも自衛してほしいなって思うのです。
セックス自体は悪いことではありません。セックスはコミュニケーションの一種でもありますから。
ただ、産んで育てられないならゴムつけろ。避妊しろ。そこです。
主な避妊法がコンドームだからこそ、女の子も避妊について考えよ!
日本家族計画協会の北村邦夫先生は、確実な避妊法として以下を挙げています。
①確実な避妊ができる。
②使い方が簡単で、長期間にわたって使える。
③経費がかからない。
④副作用がなく、仮に妊娠しても胎児に悪影響が及ばない。
⑤セックスのムードを壊さず、性感を損なわない。
⑥男性の協力がなくても、女性が主体的に使える。
残念ながら限界がある!一番の理想はこんな感じ。
男性主体の避妊であるコンドームが主体だからこそ、男の子も女の子も快楽だけではなく将来のことも考えて避妊に向き合ってほしい。
女の子も普段からコンドーム持ったり、コンドームのつけ方を学んだり。そして自分で自分のからだを守るために。
そして男の子は自分の好きな人のことを守るために。
助産院ころれでは「性と生のしゃべり場」で避妊だのSRHRについて学べるよ
12/10に中高生のママ・パパ向けに「性と生のしゃべり場」をやります!
性と生のしゃべり場ではリクエストがあれば避妊のことや、先ほどお話したセクシュアルリプロダクティブヘルス・ライツ(SRHR)のことについて語らうことができます。
いろんな世代の人が、性やいのちについて学べる世の中になってほしいと心から願っています。
12/10の「性と生のしゃべり場」申し込みはLINE友達登録後にお願いします^^
思春期相談も承っているのでぜひ~!