自分の子が妊娠したら?親ができること。
自分の子どもが未成年で妊娠する事態は、親にとっては予期せぬ出来事。
このような状況に直面したとき、親としてどのように対応すれば良いのでしょうか?
本記事では、子どもが妊娠した際に親が取るべき対応策を、具体例を交えながら解説します。
まずは落ち着いて、話し合いの場を設ける
子どもが妊娠したと知ったとき、驚きや心配、相手は誰なのかなど様々な感情が沸き上がるでしょう。
しかし、何より大切なのは、落ち着いて子どもと対話をすることです。
お子さん自身も予期せぬ出来事でとても不安に思っているかもしれません。
- 具体例
○ 子どもに「一緒に解決しよう」と伝え、寄り添う
○ 子どもの話をじっくりと聞き、非難せずにサポートする姿勢を見せる
怒りや悲しみをぶつけたい気持ちがあるのは百も承知です。
その子の将来がどうなるのか、親は心配や不安で押しつぶされそうになるでしょう。ただそこで感情に任せて怒ったり、泣き散らしたりしたら子どもの居場所がなくなってしまい、どこを頼ったらいいかわからなくなってしまいます。それに今後まともなコミュニケーションがとれなくなる可能性も充分考えられます。
お子さんも不安や心配で押しつぶされそうになっているのは同じです。
対話を通して、感情的にならずお互いの気持ちを述べることはいいことかと思いますので、しっかり話し合いを重ねてください。
また、同意があったセックスでの妊娠だったのか否かでも対応が変わってきます。
もしも性被害によるものであった場合、全国には性犯罪、性暴力被害者のためのワンストップ支援センターというものがあります。
被害相談、産婦人科医療へのコネクト、法律の専門家への相談、場合によっては警察へつなぐこともできます。
医師やカウンセラーなど専門家に相談する
性犯罪被害による妊娠の場合は上記に挙げたワンストップ支援センターへの相談が一番スムーズです。
同意のあるセックスによる妊娠の場合、産婦人科医師やカウンセラーなどの専門家に相談することがその次に考えるべきことです。
子どもの健康状態を把握し、今後の選択肢について正確な情報を得るためには専門家の助言が必要不可欠です。
- 具体例
○ 妊娠の確認と健康状態のチェックのために産婦人科受診をする
○ 心のケアが必要な場合は、心理カウンセリングを受ける
子どもからの告白がいつかにもよりますが、妊娠週数の把握は今後どうするかを決めるためにも非常にキーになってきます。
早めの受診が大切です。
どんな選択肢があるか、一緒に検討する
産婦人科を受診して妊娠が確認されたら、子どもと一緒にどのような将来を歩むか考える必要があります。
- 妊娠を継続する(=出産して育てる)
- 中絶する
- 妊娠を継続し出産するけれど、養子縁組を組み子どもを望む他のカップルに子どもを託す
- 環境が整うまで一時的に乳児院などで預かってもらう
など。あくまでも一例ですが、さまざまな方法があります。
- 具体例
○ それぞれの選択が持つ意味や責任について話し合う
○ 家族でサポートできる範囲と、将来の計画について話し合う
学生さんの場合は進学のこともあるでしょう。
自分がどういうビジョンを思い描いているのか、子どもがいることでそのビジョンは成しえなくなるのか否か、などより想像できるように具体的に話すことが大切です。
長い目で支援していく
子どもの決定には、長期的な視点での支援が必要です。
教育やキャリアはもちろんのこと、精神的なサポートなど、子どもが安心して未来を歩んでいけるように計画を立てましょう。
- 具体例
○ 学業を続けるためのサポート体制を整える
○ もし出産することを選択した場合、出産後もキャリアを続けられるように相談する
家族の絆を強く持つ
予期せぬことが起きた時期は、家族としての絆を深める機会にもなります。
家族全員で情報を共有し、一致団結して子どもを支えましょう。
- 具体例
○ 家族会議など、話し合いの場を定期的に設けて、進捗状況や自分のメンタル面や感情、思っていることを共有する
○ 子どもだけでなく、親自身も感情のケアが必要であれば、家族もカウンセリングを受ける
コミュニティのサポートを活用する
家族だけでの解決が難しい場合もあるでしょう。
そのようなときは外部のサポートを活用することも一つの手です。
わたしのおすすめは全国妊娠SOSネットワーク。
相談窓口もあれば、妊娠をしてさまざまな選択肢がある中で、どのような対策や制度などがあるかが一目でわかるサイトになっています。
個人的な妊娠相談をする際には、各地の妊娠SOS相談窓口にご相談ください。
- 具体例
○ 全国妊娠SOSネットワークなど、予期せぬ妊娠をした人をサポートする団体に連絡をとり今後のためのヒントを得る
さいごに
子どもの妊娠は、親にとっても子どもにとっても、人生の大きな転機になります。
しかし、家族同士のコミュニケーションや専門家からのアドバイスなど、さまざまな支援を通じてこの難しい時期を乗り越えることができます。
重要なのは、子どもが安心して自分の選択をすることができる環境を整えることです。
その選択をした子どもを尊重し、家族として、子どもを支え、これからを歩んでいけると良いですね。
また、どの選択をしたとしても、また同じことを繰り返さないよう、自分が子どもが欲しいと思ったタイミングで将来的に妊娠ができるように、家庭での性教育が必要になってくると思います。
この困難を乗り越えたからこそ、より良い家庭での性教育ができると思いますので親自身の性教育の知識のアップデートもしていってください。