嬉しくない流行、梅毒。梅毒、大爆発。
みなさん、こんばんは。
助産師小渕です。
最近、梅毒にかかっている人をまぁまぁ見かけます。だからか、そんなに珍しいものでもなくなってきました。
でもそれは異常事態なんだな。
今日は梅毒についてちょっと書いていきます。
梅毒って知ってる?
梅毒という言葉自体、聞いたことがある人も多いかもしれない。
最近はメディアでも「梅毒」というワードをよく耳にするし、わたし自身中学校の保健体育の授業で性感染症は学びました。そういう人もいるのではないのでしょうか。
梅毒、大流行。
国立感染症研究所の報告によると、2023年12月25日~31日までの速報データによると、昨年の梅毒の患者報告数は14,906人。
この数字自体は3年連続で増加しています。この数字は1999年に現在の方法で調査を始めてから過去最多の数字だそう。
都道府県別に見てみると、東京は3,658人、大阪1,967人、福岡939人、愛知817人、北海道677人、神奈川659人と都市圏が多くなっています。
性別で見てみると、男性では20~50代と年齢層は幅広く、女性では20代が多くなっていて、報告数の約3割が女性というデータもあるほど。
ちなみに東京都に関して、2024年になって1月2週目までの報告ですでに罹患報告が約100人ほど。
これはめちゃめちゃ異常、非常事態と言えます。
梅毒の原因って何?
梅毒は「梅毒トレポネーマ」っていう細菌が悪さをします。
主にセックスが原因で、口や性器などの粘膜や皮膚から感染します。オーラルセックス(口腔性交:いわゆるフェラチオなど)、アナルセックス(肛門性交)も原因の1つです。粘膜同士の触れ合いなので、それはリスクも上がりますよね。
梅毒の症状は?
梅毒に感染すると、性器や口の中に小豆や指先くらいのしこりができたり、痛み、かゆみのないぶつぶつが手のひらや体中に広がることがあります。
梅毒にはそれぞれ第1期~後期梅毒という時期があります。
- 第1期
感染後約3週間で、感染した場所(性器や肛門、口など)に、ぼつぼつやしこり、ただれなどができます。治療しなくても、数週間で症状は消えます - 第2期
第1期の症状がいったん消えた後に、1~3ヶ月経つと、手のひらや足の裏などに全身のぶつぶつができます。治療しなくても、数週間で症状は消えます。 - 潜伏梅毒
症状がないまま何年も経過することがあります。体の中では密かに病状が進行。 - 後期梅毒
数年~数十年後に、心臓や血管、神経の異常が現れることがあります。
こんなふうに症状が消えることもあって、それが厄介。
症状が消えても感染力はまだまだありますし、症状が消えるからこそ「治ったんじゃないか?」と錯覚して病院に行くタイミングを逃してしまうことも。
後期梅毒といったように、心臓や血管、神経の方にまで病変が生じると、場合によっては死に至ることもある、怖い病気なのです。
梅毒にならないためにはどうしたらいいの?
いつだれが、梅毒にかかっているかは全くわかりません。
だからこそ、梅毒もそうですが、性感染症の予防のためにはコンドームの使用がとても大切です。
コンドームのつけるタイミングは、勃起してから装着、射精が終わったら早急に外す。
このタイミングを大人でも勘違いしている人、たまにいます。
また、ピルを内服していてもピルが得意なのは避妊だけで、性感染症の予防はできません。
なんで、こんなに梅毒が増えているんだろう?
梅毒は日本だけでなく、世界でも増加傾向にあるそうです。クラミジアや淋菌など他の感染症に比べても。
国立感染症研究所での調査において、性風俗を利用した罹患男性、性風俗に従事している罹患女性がいずれも4割ほどだったとのことです。
性風俗の利用者や性風俗従事者の人の梅毒感染が増えているとのことですが、それにしても増えすぎで、どうした??という感じですよね。
おそらくピンポン感染も増えているのではないのでしょうか。
症状がないから治療しない→知らない間に他の人にうつしている…それの繰り返しで、どんどん感染が広がっていってしまう。
じゃあ、ピンポン感染を防ぐにはどうしたらいいでしょうか。
自分だけじゃなくて、自分・パートナーで病院に行こう!
もし、痛みやかゆみ、ぶつぶつといった症状が出たら病院に行ってもらうのはもちろんなのですが、自分だけではなくパートナーも病院に行ってください。
自分だけ症状があって、自分だけ病院に行って治療しても全く意味がありません。
パートナーにも同様の症状がないかを確認して、病院に行ってください。
女性は産婦人科、男性は泌尿器科になります。
男性の方に症状がないとしても、症状がない状態でピンポン感染で広げている可能性もありますし、再度パートナーとセックスをしたらまたそのパートナーが梅毒に感染してしまう可能性があります。
自分のからだは自分で守る、いつもと違う症状があるぞと思ったら受診=行動するということがとても大切になります!
嬉しくない流行、梅毒。
流行りに乗らないようにみなさん気を付けましょうね。
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