妊娠中の鼻と新たな命【妊娠中の嗅覚の変化とつわりとアロマ】

みなさん、こんにちは。

助産師小渕です。

寒い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。

暖房をつけても上半身は暖かいけど、下半身は冷える…。「まるでこたつソックス」という冷え性にモッテコイな靴下を履いていても冷える。だから寒いね。

ここのところ性教育に関するブログはせっせと書いていましたが、嗅覚反応分析やアロマに関することはこちらであまり書いていなかったので今日はそちらを。

妊娠と嗅覚、そしてつわりについて書いていこうかなと思います。

つわりに良いとされるアロマもあるので、そちらも紹介していきます。

妊娠すると匂いに敏感になる妊婦が多いけど、なんで?

「ウッ ご飯が炊きあがるときのあの匂いが今は無理なんです…」

「普段そんなに感じていなかったけど、柔軟剤の匂いがダメになってしまいました…」

そんな声をよく聞きます。

妊娠中に嗅覚が敏感になるのは、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)が関係していると言われています。

妊娠中はhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)っていうホルモンが分泌されるのですが、それに伴ってエストロゲンやプロゲステロンの分泌も増えます。

エストロゲンやプロゲステロンが増えることで嗅覚の感じ方を変化させてしまい、脳の嗅覚野という嗅覚を処理する部分に影響を与えて、嗅覚がすごく敏感になってしまうというもの。

もちろん個人差はあるけど、たくさんの妊婦さんが「あれ?なんかいつも大丈夫な香りが苦手だぞ」と、嗅覚の変化を経験する要因になっています。

だからつわりが増えるんだな。

そうなのよ。

妊娠中の嗅覚の敏感さとつわりは関係があるって言われています。

妊娠中のホルモンの変化によって嗅覚の感受性を敏感にさせ、特に食事や身の回りの匂いに対して敏感に反応することがあります。

これがつわりの症状を引き起こす原因の1つと考えられています。

要するに「米の匂いが」とか「柔軟剤の匂いが」とか、普段はあまり感じていなかった匂いに対してやけに刺激的に感じてしまって、それがきっかけでつわりがひどくなる可能性があるっていうこと。

もちろん、つわりの軽い、重いも個人差があります。

軽い人は、少し吐き気があった程度で大丈夫だったよ~っていう人もいるし、逆に食べていないと気持ち悪くて、という所謂食べづわりという人もいる。反対に食事もとれない、水を飲んでも吐くっていう重度の人もいる。

つわりはあなどっちゃいけませんよ。

つわりがひどくなると、ウェルニッケ脳症を発症する可能性だってある。

ウェルニッケ脳症っていうのは、体の中のビタミンB1が少なくなって発症する脳の病気のこと。意識障害や眼球運動障害、歩行障害といった症状があるけど、ひどいと命に関わることも。

「妊娠は病気じゃないから…」とか「つわりだし、我慢すれば…」っていう妊婦さんをわたしは見たことがあるけれど、食事をとれない、水も飲めないっていうのは生命活動に影響を及ぼします。

「たかがつわり」ではないので、つわりがひどくてしんどい、辛いっていう人は病院に相談してくださいね。

つわりのときって何食べていいかわからないよね。

嗅覚が変化するから、食事の好みも少しずつ変わってくるという話もよく聞きます。

薄味がいい人もいれば味が濃い目の方がいいという人も。さっぱりめがいいっていう人も、脂っこいものがいいっていう人もいます。

よく、「マックのフライドポテトだったら食べられるんです」っていう声を聞きます。

赤ちゃんにとって、からだに良くないんじゃないかと思われる人もいるかもしれません。

たしかに長期的に召し上がってたら、体には良くないでしょう。ただ、つわりは妊娠16週前後で落ち着いてくる、いわば期間限定です。

食べられるときは食べられるものを、つわりが落ち着いたら栄養バランスを考えたものを召し上がってもらう、というのでいいのではないでしょうか。

そして参考程度に妊婦さんがつわりのときに好む食事について紹介。

  • 乾きもの
    →クラッカーやトーストといった乾きもの。胃に負担もかけにくい。
  • すっぱい食べ物
    →レモンやすっぱいフルーツ、酸味のあるジュースといったもの。口の不快感を和らげるそうです。
  • ジンジャー入りの食べ物や飲み物
    →ジンジャーはつわりの症状を和らげると言われています(あとでアロマでも紹介するよん)。ジンジャーエールとかジンジャーティーなどなど。
  • 冷たい食べ物や飲み物
    →アイスクリームや冷たいフルーツ(凍らせたやつとか)、冷製スープ。水もキンキンに冷やせば大丈夫って人もいました。
  • 小分けできる食事
    →いっぱいの食事よりも小分けできる食事が良かったりします。1日3食って決めずに、時間も関係なく食べられるときに少量ずつ食べるというスタイルでも全然オッケー。
    むしろ、クラッカーなどの乾きものや、冷たい食べ物など少し小さいものを枕元に置いておいて、食べられるときに食べるというのもいいと思います。

嗅覚反応分析士がお送りする、つわりに良いアロマと活用法

妊娠中にアロマって大丈夫なの?と思う人もいるかもしれません。

妊娠中に使ってはいけないアロマはたしかにあります。子宮収縮作用があるアロマや女性ホルモンに作用するアロマだったり。それに関してはまた後日お伝えできればな~と思っています。

ではでは、つわりにおすすめのアロマについてご紹介。


  • ジンジャー
    え?ショウガ?って思った人もいるかもしれません。
    ショウガは食用や香辛料、薬にも使われます。生や乾燥させて、殺菌、嘔吐止め、健胃、食欲増進、解毒、体を温める、風邪や咳を鎮める目的で使われたりします。
    アロマにはジンギベレンという成分が入っていて、このジンギベレンが消化を促進させることが得意なのです。なのでジンジャー自体、消化促進や排ガスの促し、胃がスッとするような作用があるのでつわりのときにも良いとされています。
  • レモン
    つわりのときによく好まれるのがレモン。さっぱりしているのと清涼感がある香りが好まれるようです。2014年の研究でもレモンを用いたアロマテラピーが吐き気や嘔吐の頻度を減らすことができたと結果が出ているようです。レモンも消化促進や胃をスッとさせる作用があります。
  • ペパーミント
    ペパーミントも清涼感が特徴の香り。ペパーミントにも胃をスッとさせるような作用があり消化器系に得意な一面があります。
    ただしペパーミントに関しては、ℓーメントンという流産惹起作用がある成分を含んでおり、直接的に香りを嗅いだり高濃度を塗布したりすることは禁忌となっています。芳香浴で香らせる程度であれば濃度も薄く問題はないとされています。

【活用法】

  • ディフューザーを使う
    無印とかにも売っている蒸気で出るやつや、コンセントに直接さして香らせるもの、いろいろあります。
    わたしはディフューザーを洗ったり衛生面が心配なので、ティッシュも2つ折りにしてそこに数的精油を垂らして近くに置くようにしています。
    香りが弱まってきたら捨てればOKだし、衛生的。
    それに香りって最初のときと時間が経った後、経時的に変化していくのですよ。それを楽しむのもおもしろい。
  • アロマバスを作る
    お湯の蒸気で浴室に香りが広がります。バスソルトと精油を数滴(多くても5滴くらい)混ぜて使うのがおすすめ。
  • マスクスプレー
    なんだかんだインフルやコロナが流行っているのでマスクをつけるときに、内側にシュっと香らせるマスクスプレーもおすすめ。
    用意するものはスプレー容器50ml、無水エタノール5ml、精製水45ml、好きな精油5滴。物を入れて、フリフリしたらできあがり。

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<アロマの使用に関する注意事項>

本ブログの情報は一般的なアドバイスであり、医学的な助言ではありません。

アロマセラピーに関する使用にあたっては以下の注意事項を充分に理解し、医師との相談をおすすめします。

  1. アロマの使用による効果は個人差があります
    アロマの効果や感受性は個人によって異なります。本ブログに記載された方法や精油が必ずしも全ての方に適しているわけではありません。
  2. 医師の指示を仰ぎましょう
    妊娠中や健康状態に変化がある場合、アロマテラピーの使用前に医師と相談してください。特にアレルギーや既往歴がある場合は注意が必要です。
  3. 使用する精油に注意しましょう
    使用する精油は品質に注意し、添加物が含まれない純度100%の精油を使用しましょう。精油によっては妊娠中や特定の状態では使用できない場合があります。
  4. 適量を使用しましょう
    精油の使用量には基準があります。過度な使用や高濃度の使用は身体に影響を及ぼす可能性があります。

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