小学生への性教育!働くママへ年齢別の具体的アドバイス
子どもの健やかな成長のために、性教育は避けて通れないテーマ。
特に、小学生は心身ともに大きく成長し、性への関心が高まる重要な時期です。
「いつから、どのように性教育を始めれば良いのだろう?」
「働くママでも、無理なく実践できる方法はあるの?」
こうした疑問や不安を抱えている方も多いことでしょう。
本記事では、小学生のお子さんを持つ働くママに向けて、以下を解説します。
- 性教育の重要性
- 性教育を始める際の3ステップ
- 年齢別の性教育実践方法
- よくある悩みへの対処法
性教育で悩まれている親御さんは、ぜひ最後までご覧ください。
小学生に性教育が必要な理由は自分で自分を守るため
性教育は、単に性的な知識を教えるものではありません。
自分の体と心を大切にし、他者との適切な関わり方を学び、自分自身を守る力を育むための、包括的な学びです。
特に、小学生期に性教育が重要な理由は、以下の3つが挙げられます。
自己肯定感の向上につながる | 自分の体について正しい知識を持つことは、自己肯定感を高め、心身ともに健康的な成長へとつながる |
性被害といった危険から身を守れる | 性被害は、小学生にとっても身近な危険。 性教育を通じて、危険な状況を察知し、適切に対処する力を身につけられる |
良好な人間関係を築く土台となる | 相手の気持ちを尊重し、適切な距離感を保つことは、良好な人間関係を築く上で不可欠なもの。 性教育は、そのための土台を形成する |
性教育は、体の知識を教えるのではなく、人とのつながりや自分を守るといった、一見関係ないようなことも学べて、人間としての土台作りができるのです。
性教育を始めるための3ステップ!【働くママでも◎】
本章では、性教育をスムーズに始めるための3つのステップをご紹介します。
「性教育は大切だと分かっているけれど、何から始めたらいいのかわからない…」
と悩んでいる親御さんでも、心配いりません!
日々の生活の中で、少しずつ実践できる方法のためぜひ試してみてください。
ステップ1:日常生活の中に、性に関する言葉を自然に取り入れる
性教育のために、特別な時間を作る必要はなく、お風呂やトイレなど、普段の生活の中で、性に関する言葉を自然に会話に取り入れてみましょう。
例えば…
- お風呂で体を洗いながら「ここは大事な場所だから、優しく洗おうね」
- トイレの後「おしっこが出たね。おちんちん(おまた)は、おしっこを出す大事なところなんだよ」
このように、年齢に合わせた言葉を選び、肯定的な表現で伝えることが大切です。
ステップ2:3つの言葉がけを習慣にする
以下の3つの言葉がけを、普段から意識して子どもに伝えましょう。
- 「ここは大事な場所だから、他の人に触らせちゃダメだよ。」
- 「嫌な気持ちになったら、 嫌と言っていいんだよ。」
- 「あなたの体は、 あなただけのもの だよ。」
これらの言葉は、子どもが自分の体と心を大切にし、危険から身を守るための「お守り」となります。
ステップ3:子どもの「なぜ」を大切に!質問には丁寧に答える
子どもは成長とともに、性に関する様々な疑問を持つようになります。
その「なぜ」を無視したり、はぐらかしたりせず、丁寧に答えることで学びの機会が持てます。
答えにくい質問をされた時は、
「それは難しい質問だね。一緒に調べてみようか」と伝え、子どもと一緒に学ぶ姿勢を示しましょう。
年齢別性教育アドバイス!具体的に何をどう伝える?
ここからは、小学校低学年と高学年に分けて、性教育の具体的な内容と、伝え方のポイントを解説します。
小学校低学年(1~3年生)
小学校1~3年生の低学年には、以下のポイントで話しましょう。
- プライベートパーツについて正しく理解する
- 「大事な場所」は、特別に守ることを教える
- 体の成長と変化について
以下に、詳しく解説します。
プライベートパーツについて正しく理解する
「おちんちん」「おまた」などの幼児語ではなく、ペニスやヴァギナなど正しい名称を使いましょう。
ただし、子どもが理解しやすい言葉を選び、徐々に正しい名称になれさせていくことが大切です。
また、性器は排尿・排便をするための体の一部であることも同時に伝えましょう。
「大事な場所」は、特別に守ることを教える
「水着で隠れる部分は、特に大事な場所だよ」
「パパやママ、お医者さん以外には、見せたり触らせたりしてはいけないよ」
と、プライベートゾーンについて教えましょう。
また、性被害を防ぐためにも
「もし、誰かに嫌なことをされたら、すぐにパパやママ、先生に教えてね」と、約束しましょう。
体の成長と変化について
この時期は自分の体に興味津々。
体の成長について、素朴な疑問を抱く子どももいます。
子どもの様子をしっかり観察しながら、質問に答えていくことを心がけましょう。
また「男の子と女の子で体のつくりが違うのはどうして?」と聞かれることがあるかもしれません。
「赤ちゃんが生まれる仕組みと関係があるんだよ」と伝え、体の仕組みの違いについて教えましょう。
小学校高学年(4~6年生)
小学4~6年生の高学年は、第二次性徴が始まり自分の体や心の変化に直面する時期です。
以下のことについて伝えましょう。
- 第二次性徴について理解を深める
- 月経や精通について具体的に教える
- インターネットやSNSの危険性を伝える
- 異性との関わり方について話し合う
- 性被害から身を守る
以下に、詳しく解説します。
第二次性徴について理解を深める
この時期、多くの子供が第二次性徴を迎えます。
男子は声変わりや精通、女子は乳房が膨らんだり生理が始まったりと、個人差はありますが、心身ともに大きな変化を経験する時期です。
体の変化は、時に子どもを不安にさせることもあります。
変化は成長の証であり、自然なことだと伝えましょう。
また、この時期には個人差があり、友達と違うからといって、心配する必要はないということも伝えましょう。
月経や精通について具体的に教える
月経用品の使い方や、精通時の対応など、具体的な対処法を教えましょう。
特に女子は、ホルモンバランスが乱れていることもあり、PMSが起こる子もいます。
「生理がつらい時は、無理しないで休んでいいんだよ」と、体の変化に寄り添う言葉がけをしてあげると安心します。
インターネットやSNSの危険性を伝える
インターネットやSNSには、性に関する誤った情報や、危険な情報もあふれています。
「インターネットの情報は、すべてが正しいわけではない」
「知らない人から連絡が来ても、返信してはいけない」
など、具体的な注意点を伝えましょう。
異性との関わり方について話し合う
高学年になると、異性に興味をもつ子どもも増えてきます。
そこで、お互いを尊重しあえるような、健全な関係の築き方を話し合えるとよいでしょう。
具体的には、以下のような点について確認します。
- 異性に興味をもつことは自然なこと。ただし、相手の気持ちを無視した行動はしてはいけない。
- 嫌なことをされたら「嫌だ」と断ってよい。
- 相手を傷つけるようなことはしない。
- 交際のマナーやルールを共有しておく。
- 困ったことがあったら、いつでも相談してほしいと伝えておく。
異性に興味を持つのは自然なことですが、健全な関係を築けるように親御さんからアプローチしていきましょう。
性被害から身を守る
性被害は、子どもにとって深刻な問題です。
高学年では、性被害とはどのような行為なのか、被害に遭わないためにできることはなにかを、具体的に話してみましょう。
たとえば、以下のようなことを伝えられます。
- 性被害は、決して被害者のせいではないこと。
- 相手が誰であっても、嫌なことをされたら「嫌だ」と意思表示してよいこと。
- 信頼できる大人に相談すること。
- 被害を未然に防ぐためには、「知らない人についていかない」「一人で夜道を歩かない」といった、防犯対策を徹底すること。
子どもを守るためにも、しっかりと伝えてください。
よくある質問
私のもとに寄せられる質問にお答えします。
性教育を始めるのに、最適なタイミングはありますか?
性教育に「早すぎる」ということはありません。
子どもの成長に合わせて、日常の会話の中で少しずつ、性に関する言葉や知識を伝えていきましょう。
共働きで忙しくても、性教育の時間は取れますか?
はい、大丈夫です。
特別な時間を作らなくても、お風呂やトイレなど、日常の場面で性に関する会話を取り入れられます。
また、絵本や図鑑などを活用するのも効果的です。
子どもから性に関する質問をされたら、どう答えると良いですか?
まずは、子どもが質問してくれたことを褒めましょう。
「よく聞いてくれたね」
「いい質問だね」
と伝えると、子どもは安心し、さらに質問しやすくなります。
そして、子どもの年齢や理解度に合わせた言葉を選び、正直に、わかりやすく答えることが大切です。
答えにくい質問をされた場合は、「一緒に調べようか」と提案するのも良いでしょう。
性被害について、どのように伝えれば良いですか?
性被害は、子どもにとって深刻な問題です。
しかし、恐怖心を煽るような伝え方は逆効果のため「プライベートパーツを勝手に触られること」と伝えましょう。
「知らない人についていかない」
「水着で隠れる部分を触られたら、嫌だと言う」
など、具体的な対処法も伝えてください。
また、「もし何かあったら、必ずパパやママに話してね」と約束しておくことも大切です。
小学校高学年になると、子供が性に対して過剰に反応したり、恥ずかしがったりすることがあります。どう対応すればよいですか?
小学校高学年になると、第二次性徴が始まり、心身ともに大きく変化します。
それに伴い、性に対して過剰に反応したり、恥ずかしがったりすることが増えるのは自然なことです。
まずは、子どもの気持ちに寄り添い、共感することが大切です。
「恥ずかしいんだね」
「そういう気持ちになるのは、自然なことだよ」
と、子どもの感情を否定せずに受け止めましょう。
そして、第二次性徴や性に関する正しい知識を、わかりやすく伝えることが重要です。
「体は、大人になる準備をしているんだよ」
「誰にでも起こることだから、心配しなくて大丈夫」と、安心させてあげましょう。
また、性に関する話題をタブー視しないことも大切です。
普段から、性に関する話題をオープンに話せる雰囲気を作っておくことで、子どもは安心して相談できるようになります。
ただし、無理に聞き出そうとしたり、からかったりするのは逆効果です。
子どものプライバシーを尊重し、話したくない時は無理に話させないようにしましょう。
もし、子どもの反応が過剰であったり、日常生活に支障をきたすようであれば、スクールカウンセラーや、信頼できる専門家に相談することも検討しましょう。
子どもの成長を支える性教育、今日から実践しましょう
性教育は、子どもの心と体を守り、健やかな成長を支えるために、必要不可欠なものです。
「難しそう」「時間がない」と諦めずに、まずはできることから少しずつ、性教育を実践してみましょう。
そして、子どもが自分の体と心を大切にし、自分らしく輝ける未来を築けるよう、一緒に応援していきましょう。
助産院Coloréでは、性教育で困っているお母さんのサポートを行っています。
「子どもにどのように性教育をしたらよいかわからない」
「子どもの将来を考えると、しっかり性教育を教えておきたい」
「自分の知識も曖昧だから、この機会に性教育について学びたい」
なんでも大丈夫です。
2025年から、助産院Coloréは再始動いたしますので、もし性教育について悩んでいる方がいらっしゃいましたら、ぜひお問い合わせください。
なお、今回の記事はnoteにも書かせていただいております。
そちらも併せて、ご確認ください。